奥歯を失った場合、
「ブリッジ」「入れ歯」「インプラント」など複数の治療方法があります。
インプラントの場合、基本的には歯の本数分インプラントを埋入することが多いですが、
骨の状態やスペースによっては、1本のインプラントで2本の歯を補う設計が可能なケースもあります。
今回は、右下奥歯2本の欠損に対して
インプラント1本で機能回復を行った症例をご紹介します。
症例概要
主訴
左上奥歯の痛み、右下奥歯の違和感
診断
左上5:根尖性歯周炎(Per)
右下6:歯根破折
右下5:欠損(他院で約1年前に抜歯)
治療内容
右下5・6欠損部にインプラント治療
(カンチレバー補綴)
治療期間
約5ヶ月(抜歯→埋入手術→上部構造装着)
治療費
インプラント費用(1本分)+上部構造費用
治療の経緯
左上5の痛みと、右下奥歯の違和感を主訴にご来院された患者様です。
診査の結果、左上5は**根尖性歯周炎(Per)**が認められました。
保存できる可能性があったため、まずは根管治療を行い、可能な限り歯を残す方針としました。
ただし歯の状態から、将来的に抜歯となる可能性についても事前にご説明しております。
一方、右下6は歯根破折が確認され、保存が難しい状態であったため抜歯となりました。
また右下5については、患者様が約1年前に別の歯科医院で虫歯により抜歯されていたとのことで、
右下奥歯は2本欠損している状態でした。
治療方法の選択
以前通院されていた歯科医院では、
欠損部の治療としてブリッジ治療を勧められていたとのことでした。
当院では、
- ブリッジ
- インプラント
- 入れ歯
それぞれの治療方法について、
- メリット
- デメリット
- 治療期間
- 費用
- 将来的なリスクやメンテナンス
などを含め、専門のカウンセラーより十分なお時間をいただきご説明させていただきました。
その中で患者様は
- 健康な歯を削りたくない
- しっかり噛める状態にしたい
というご希望をお持ちでした。
検討された結果、インプラント治療を選択されました。
口腔内写真(抜歯前)

レントゲン画像(抜歯前)

抜歯から2カ月後

上部構造セット後

治療計画
右下5・6の2本分の歯を補う必要がありましたが、
骨の状態や歯のスペースを総合的に判断した結果、
インプラントを2本埋入するのではなく
インプラント1本を埋入し、上部構造を2歯で補う「カンチレバー設計」
で治療を行う計画となりました。
歯の形態はやや小さめになりますが、
咬み合わせを考慮した設計にすることで、機能的には問題なく使用できる状態となります。
また、インプラント本数を1本にすることで
- 外科処置の負担
- 治療費
の両面を抑えることができました。
カンチレバーインプラントとは
通常、歯が2本失われている場合は
インプラントも2本埋入することが一般的です。
しかし
- 骨の状態
- 歯のスペース
- 噛み合わせ
などを総合的に診断することで、
1本のインプラントで2本の歯を補う治療が可能な場合があります。
このような設計を
**「カンチレバー補綴」**といいます。
ただし、すべてのケースで適応できるわけではなく、
噛み合わせや力のかかり方を十分に考慮した治療計画が重要になります。
治療方法
右下6:インプラント
右下5:カンチレバー
症例の詳細
| 年齢 | 30代・女性 |
| 主訴 | ①右下6歯根破折による痛み |
| 治療内容 | インプラント治療(オステム) |
| 費用 | ¥572,000(税込) |
| 期間 | 約8ヶ月 |
| リスク・副作用 | 口腔内および全身状態(既往歴)、喫煙の有無、噛み合わせ、骨造成の有無などにより、治療期間や費用(追加費用含む)はそれぞれ異なります。症例によっては再手術や追加手術が必要な場合もあります。また術後は歯周病の管理も含めた継続的なメンテナンス(通常の定期クリーニング)が必要になります。 |
術後の経過
インプラント埋入手術から約5ヶ月が経過していますが、
- 痛み
- 腫れ
- 違和感
などのトラブルもなく、術後の経過は良好です。
現在は、奥歯でもしっかりと噛んでいただけており、
患者様にも大変ご満足いただいています。
インプラントは歯の本数分、必ず必要?
インプラント治療についてご相談いただく際、患者様からよくいただく質問の一つが
「歯が2本ない場合、インプラントも2本必要ですか?」
というものです。
基本的には、失った歯の本数分インプラントを埋入することが多いですが、
必ずしも歯の本数=インプラントの本数になるとは限りません。
骨の状態や歯のスペース、噛み合わせの力のバランスなどを総合的に判断することで、
1本のインプラントで2本の歯を補う治療設計が可能な場合もあります。
今回の症例でも、右下奥歯2本の欠損に対して
インプラント1本で機能回復を行う治療計画となりました。
カンチレバーインプラントという治療設計
このように、1本のインプラントから先端に歯を延長する形で補う方法を
**「カンチレバー補綴」**といいます。
簡単に言うと、
インプラントを支点として、もう1本分の歯を延長して補う設計です。
この方法を適切に用いることで、
・インプラントの本数を減らせる
・外科処置の負担を減らせる
・治療費を抑えられる
といったメリットがあります。
ただし、カンチレバー設計は
すべての症例に適応できるわけではありません。
カンチレバーが適応できるかどうか
カンチレバーインプラントは、
- 噛み合わせの力のバランス
- インプラントの位置
- 骨の状態
- 患者様の噛む力
- 奥歯のスペース
などを総合的に評価したうえで、
慎重に判断する必要があります。
設計を誤ると、
- インプラントへの過度な負担
- 上部構造の破損
- 噛み合わせのトラブル
などにつながる可能性もあるため、
治療計画の段階でしっかりと診断を行うことが非常に重要です。
インプラントは「本数」より「治療設計」が大切
インプラント治療は、
- 何本入れるか
- どの位置に入れるか
- どのような被せ物の設計にするか
によって、治療の結果や長期的な安定性が大きく変わります。
そのため当院では、
CTによる骨の状態の確認
噛み合わせの診査
将来的なメンテナンスまで含めた治療計画
を総合的に考えたうえで、患者様一人ひとりに適した治療方法をご提案しています。
奥歯を失ったままにしている方へ
奥歯を失った状態を長く放置してしまうと、
- 噛み合わせのバランスが崩れる
- 周囲の歯が傾く
- 噛みにくくなる
- 他の歯への負担が増える
といった問題が起こることがあります。
インプラントだけでなく、ブリッジや入れ歯など、
患者様に合った治療方法はいくつかあります。
大切なのは、
それぞれの治療方法のメリット・デメリットを理解したうえで選択することです。
奥歯の欠損でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
こちらのインプラント治療担当の歯科医師

尼崎駅前歯科 勤務医 秋山 雄介
初めまして。尼崎駅前歯科に勤務しております、歯科医師の秋山です。
私が治療において大切にしていることは、
・「とりあえず痛みを取る」
・「今ある問題だけを処理する」
そういう治療ではなく、私が治療させていただいたインプラント含め、
すべての歯が、5年後も、10年後も、きちんと噛めて、機能し続けること。
そこまでを含めて、治療だと考えています。
目立たない部分ほど、時間がかかる部分ほど、誰にも評価されにくい部分ほど、きっちりやる。
その場しのぎを繰り返すより、
「もうこの歯で悩まなくていい」そう思ってもらえる治療をしたい。
それが、私がlongevity(長く使えること)を大切にしている理由です。
もし、「何度も同じ歯を治療している気がする」
「この治療、本当に長くもつのかな」そんな不安を少しでも感じたことがあるなら、
一度、治療の考え方そのものを見直すタイミングかもしれません。
治療を受けるかどうかを、その場で決める必要はありません。
まずは、あなたのお口の状態を一緒に整理するところから
お話しできればと思っています。
少しでも患者様の負担が少ない治療を
インプラント治療の負担は、オペの間だけではありません。
オペを行うまでに何度も通わないといけない時間的な負担。
決して安くない治療費の金銭的負担。
術後の腫れや痛みなど肉体的負担。
それらの負担を少しでも減らしていただける治療を私たちは大切にしております。
そのために、安易に歯を抜いてインプラントではなく
できるかぎり歯を残せるような治療を考え尽くし、
複数本、歯がない状態でも、できる限り少ないインプラントの本数での治療を行います。
また、オペの際には、麻酔の痛みすら少なくできるような配慮や
術後の痛みや腫れを最大限少なくしていただける手技や知識の研鑽を日々続けています。
それが当院が”優しいインプラント治療”と掲げる理由です。


インプラント無料相談実施中
当院ではインプラント治療の無料相談を実施しております。
・他院で抜歯してインプラントと診断されたけど、歯を残せないの?
・インプラントはしたいけど、費用は抑えたい…
・治療方法や痛み治療期間など、治療の詳細を聞きたい
・どれくらい持つのか、トラブルはないのか 等
些細なことでも、気になることがございましたら、お気軽にご相談にお越しください。
【執筆・監修者】
尼崎駅前歯科
院長 鷲本 剛
虫歯治療や歯周病治療などの一般的な歯科治療に携わりながら、歯を失った患者様に対する治療にも力を注ぐ。
治療技術、知識の研鑽の為、インプラント治療や矯正治療を専門に扱う様々な歯科医院にて診療を行いながら、国内外の学会や研修会に参加し、最新の技術や知識を学び、所属している大阪歯科大学口腔インプラント科では、専門的な診療や手術に携わる機会を得て、より高度な技術や知識を身に付ける。
現在は、培った知識経験を若手医師の育成のため、歯科医師に向けインプラント治療のセミナー講師も務める。

◇当院のインプラント治療について
https://www.amagasaki.dental/implant/



