「インプラントは痛そう」「手術が怖い」
そんな不安を抱えて相談に来られる方は少なくありません。
確かに、歯ぐきを開いて骨に人工歯根を埋め込むと聞くと“外科手術”という印象が強く、
「切る=痛い」というイメージが浮かびやすいですよね。
しかし、実際には手術計画・麻酔・切開・縫合のすべてにおいて、
痛みを最小限に抑えるための医学的工夫がなされています。
当院では、実際に当院でインプラントを受けられた患者さまの多くが
「ほとんど痛みは感じなかった」「手術後も鎮痛薬を1回しか飲まなかった」
とお話しされています。
この記事では、その理由を臨床的な観点からわかりやすくご紹介します。
目次
なぜ「インプラント=痛い」と思われるのか
1. 「骨に穴を開ける」「歯ぐきを切る」ことへの抵抗感
インプラント手術では、歯ぐきを開いて骨の中に人工歯根を埋め込みます。
この“切開”という言葉が痛みの印象を強くしているように思います。
しかし実際には、切開=痛みではありません。
痛みに直結するのは「どのように切り、どう閉じるか」です。
当院では、
・切開範囲を必要最小限にする
・骨膜を無理に剥がさず、組織を温存する
・緊張を残さない縫合法で血流を保つ
といった工夫を行い、術後の腫れや痛みを極力抑えています。
(大規模な骨を足す処置等を行うと、痛みや腫れが出やすい場合もあります。)

2. 麻酔が切れた後の痛みへの不安
インプラントのドリリング(骨への削開)は、実際には痛覚を持たない骨組織への刺激です。
つまり、麻酔が適切に効いていれば痛みは感じません。
当院では、
・表面麻酔で粘膜をしびれさせる
・極細針(33G)+電動麻酔器で一定速度で注入
・骨膜麻酔の併用で骨膜側までしっかりブロック
といった多層的な麻酔管理を行い、注射時・手術中の痛みをほぼゼロにしています。
3. 「痛かった」という体験談の独り歩き
他院での経験談を聞いて不安になる方も多いですが、
痛みの感じ方は「骨量」「粘膜の厚み」「感染の有無」「術式」などで大きく異なります。
当院では術前CTでリスクを評価し、骨の状態や粘膜の厚みを踏まえた最適な手術計画を立てています。
その結果、「思っていたより痛くなかった」とおっしゃる方がほとんどです。
痛みを最小限に抑えるための臨床的アプローチ
1. 精密なCT診断とサージカルガイドの使用
当院では、全症例でCT撮影を行い、骨の厚みや神経の位置、上顎洞の高さを立体的に解析しています。
そのデータをもとにコンピューター上で理想的な埋入位置を設計し、
そのシミュレーション通りにドリルを誘導する「サージカルガイド」を活用しています。
サージカルガイドとは、患者さん個々の顎骨形態に合わせて作成する専用のマウスピース型ガイドで、
手術時にドリルをガイド孔に通すことで、角度・深さ・方向を正確にコントロールできます。
この方法により、
・不要な骨削除を避けられる
・手術時間を短縮できる
・組織へのダメージが少なく、術後の痛みや腫れが軽減される
といったメリットが得られます。
さらに、ガイド使用により「神経や上顎洞を避ける精度」が向上し、安全性も高まります。


2. 切開・縫合デザインによる組織への配慮
術後の痛みは「傷口の張り」や「血流の低下」で生じることが多いため、
当院では以下のような方法でストレスを軽減します。
・必要最小限の剥離で組織を温存
・緊張を残さないマットレス縫合・連続縫合
これにより、組織が自然に回復しやすい環境を整えています。
3. 骨ドリリング時の熱コントロール
ドリルの摩擦熱によって骨温が47℃を超えると、骨壊死が起こる可能性があります。
当院では、低速回転ドリルと十分な注水冷却を併用し、
常に骨温を安全域に保つようコントロールしています。
こうした操作上の配慮が、術後の炎症や痛みの発生を防いでいます。
術後の痛みと腫れの実際
一般的に、インプラント手術後の痛みは24時間以内がピークとされます。
当院での平均的な経過は以下のとおりです。
・痛み止め(ロキソニンなど)の服用は1〜2日程度
・腫れのピークは2〜3日後で、1週間以内にほぼ改善
・出血はわずかで、日常生活への影響は最小限
実際の患者さまの声を一部ご紹介します。
「麻酔が切れてもほとんど痛くありませんでした」
「ガイドを使って短時間で終わり、想像よりずっと楽でした」
「痛み止めを1回だけ飲んで終わりました」
こうした声が多いのは、手術の正確性と低侵襲性が両立しているからです。
「怖い」「不安」と感じる方へのサポート
麻酔法の選択肢
強い緊張がある方には、笑気麻酔(リラックス麻酔)や
ウトウトした状態で受けられる静脈内鎮静法も選べます。
治療中の記憶がほとんど残らず、「気づいたら終わっていた」という方も。
カウンセリングで不安を解消
当院では、インプラント専門カウンセラーがカウンセリングの時間をしっかりと取り、
「どんな不安があるのか」「費用はどれくらいかかるのか」など、
治療を検討いただく際に気になることを、丁寧にヒアリングし、わかりやすくご説明します。
痛みが怖い理由を明確にし、それに応じた対策を立てることで、
安心して治療を受けていただける環境を整えています。

インプラントを迷われている方へ
インプラント治療はただ単に「怖い手術」ではなく、
噛む力と笑顔を取り戻すための再建治療です。
サージカルガイドや麻酔技術の進歩により、
手術はより正確に、短時間で、安全に行えるようになっています。
「痛みを最小限に」「不安をできるだけ少なく」——それが、私たちの目指すインプラント治療です。
ただ、なんでもかんでもインプラントを推奨するわけではなく、
患者さんのご希望や、口腔内の状態、身体や金銭的負担等、将来を見越し
インプラント以外の治療方法が適していると判断した際には、
別の治療方法をご提案させていただきます。
また、可能な限り、歯を残す治療を大切にしています。
他院では
「抜歯してインプラントするしかない」
「入れ歯かブリッジしかできない」と言われ
どうするべきか悩んでいる。
そんな方も是非一度ご相談へお越しください。
まとめ
| | | |
|---|---|---|
| 麻酔の痛み | 表面麻酔+極細針+電動麻酔 | 麻酔注入圧と痛覚閾値の関係に基づく疼痛抑制 |
| 手術中の痛み | サージカルガイド+骨膜麻酔+注水冷却 | 骨温上昇・過剰削開を防ぎ炎症を抑制 |
| 術後の痛み | 最小限の切開・緊張を残さない縫合法 | 組織血流を保ち炎症反応を軽減 |
| 不安感 | カウンセリング+笑気・静脈内鎮静 | 心理的ストレス軽減による痛覚閾値上昇 |
痛みの不安から、ご相談ください
インプラント手術に不安を感じるのは自然なことです。
その気持ちを一つずつ解消しながら、安心して治療を受けていただけるようサポートします。
尼崎駅前歯科では、CT検査・診断説明・お見積もりまですべて無料です。
無理な勧誘は一切ありません。
「痛みの少ない方法を知りたい」「手術の流れを詳しく聞きたい」だけでも気軽にご相談ください。

・他院で抜歯してインプラントと診断されたけど、歯を残せないの?
・インプラントはしたいけど、費用は抑えたい…
・治療方法や痛み治療期間など、治療の詳細を聞きたい
・どれくらい持つのか、トラブルはないのか 等
些細なことでも、気になることがございましたら、お気軽にご相談にお越しください。
【執筆・監修者】
尼崎駅前歯科
院長 鷲本 剛
虫歯治療や歯周病治療などの一般的な歯科治療に携わりながら、歯を失った患者様に対する治療にも力を注ぐ。
治療技術、知識の研鑽の為、インプラント治療や矯正治療を専門に扱う様々な歯科医院にて診療を行いながら、国内外の学会や研修会に参加し、最新の技術や知識を学び、所属している大阪歯科大学口腔インプラント科では、専門的な診療や手術に携わる機会を得て、より高度な技術や知識を身に付ける。
現在は、培った知識経験を若手医師の育成のため、歯科医師に向けインプラント治療のセミナー講師も務める。




